《十一月九日》冬鷗その悠々を羨し見て

この頃贈られてきた句集を丹念に読んでいる自分に気づく。

それは『朝の森』とどうちがうのだろうとする心の現れであろう。同時に、これから三年詩歌文学館賞選考委員をつとめるための気持が働いているのかもしれない。

この仕事だけは責任感を持って勤め上げなければと思っている。

●季語=冬鷗

著者略歴

大牧 広(おおまき・ひろし)

1931年東京生。40代より作句を始める。「沖」入会、「沖」新人賞、「沖」賞受賞、第64回現代俳句協会賞受賞 第30回詩歌文学館賞受賞、第4回与謝蕪村賞受賞、第3回俳句四季特別賞受賞、第15回山本健吉賞受賞。句集『父寂び』『某日』『午後』『昭和一桁』『風の突堤』『冬の駅』『大森海岸』『正眼』『地平』(角川書店)。他に、『季語別大牧広句集』(ふらんす堂)『シリーズ自句自解Ⅱベスト100大牧広』(ふらんす堂)等。

現代俳句協会会員、日本ペンクラブ会員、国際俳句交流協会会員、日本文藝家協会会員。

 

 

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