《十二月七日》含羞の上目づかいの実像は知られず晶子を生き抜きし志よう

与謝野晶子の誕生日。今年で百四十年目を迎える。晶子の結婚前の名は「鳳志よう」。姓を外した「志よう」から、水晶の「晶」の音が導かれ、ペンネーム晶子となった。後に、太陽の意の「日」を三つ重ねた「晶」と彼女自身は詠んだ。

著者略歴

松平 盟子(まつだいら めいこ)

歌人、歌誌「プチ★モンド」代表

愛知県生まれ。南山大学国語国文学科卒。「帆を張る父のやうに」により角川短歌賞。歌集に『プラチナ・ブルース』(河野愛子賞)『カフェの木椅子が軋むまま』『天の砂』『愛の方舟』など。著書に『母の愛 与謝野晶子の童話』『パリを抱きしめる』など。与謝野晶子のパリ滞在とその文学研究のためパリ第7大学にて在外研究(国際交流基金フェローシップ)。現代歌人協会および日本文藝家協会会員。

 

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