《四月十五日》辛夷はまだかあれは余市のともしびか

今週末は蝦夷句会のために北海道へ行かなければならないのだけれど、いろいろ流動的。いつも通りだと金曜か土曜日に実家に泊り、日曜に句会を行ない、月曜か火曜に帰京する。これまでは年四回ほどの蝦夷句会の際に、「飛行機代が高いのでせっかくだから」と実家にいつも三泊ほどし、姉に遊んでもらったけれど、今回はそうも行かなくなった。新千歳空港からあれこれかけて三時間程度かかる余市に行っている時間がないから。そして闘病しつつ心細げに私を待っている東京の家族のためにも、家をあけられないから。たぶん、着いた当日に札幌に一泊してから翌日すぐに帰ることになる。

●季語=辛夷

著者略歴

櫂 未知子(かい・みちこ)

一九六〇年、北海道生まれ。「群青」共同代表、「銀化」同人。公益社団法人 俳人協会理事。公益社団法人日本文藝家協会・国際俳句交流協会各会員。
句集に『貴族』(第二回中新田俳句大賞受賞)・『蒙古斑』、第三句集『カムイ』にて、第57回俳人協会賞、第10回小野市詩歌文学賞を受賞。句文集に『櫂未知子集』、著書に『季語の底力』(第十八回俳人協会評論新人賞受賞)『食の一句』『言葉の歳事記』『季語、いただきます』、共著に『第一句集を語る』などがある。

 

 

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  • 4月22日:火に水に振り回されて春深き
  • 4月21日:春の闇最終便の窓にひとり
  • 4月20日:まだ硬く蝦夷の風また春の風
  • 4月19日:春筍のしづけさ君のあどけなさ
  • 4月18日:ひそやかに夜の及びて木の芽和
  • 4月17日:茶摘みせむとて清らかに指と指
  • 4月16日:誰よりも遠き背中よクロッカス
  • 4月15日:辛夷はまだかあれは余市のともしびか
  • 4月14日:三毛猫の背のなだらか風光る
  • 4月13日:蝦夷地には蝦夷の姿のふきのたう
  • 4月12日:すでにさう花筏とはいへないが
  • 4月11日:藤咲いてこの世のむらさきを尽す
  • 4月10日:桜蕊そろそろ降ると神楽坂
  • 4月9日:鳥語淡し春夕焼と呼ぶべきを
  • 4月8日:おとがひの何と綺麗な虚子忌かな
  • 4月7日:花過ぎの窓より東京の光
  • 4月6日:合宿といふ夜空へと花吹雪
  • 4月5日:風光る緑の足りぬ絵の具箱
  • 4月4日:春泥の時には美しくあらむ
  • 4月3日:アドバルーン飛んで入学式の朝
  • 4月2日:ひつそりと蛇口は光りクロッカス
  • 4月1日:三鬼忌の大魚の鱗ざくざくとる

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