《五月十七日》麦飯を炊くか買ふかとゆふまぐれ

さる最終予選の日。これは予選を通過した句の中に、類句はないか、どう見てもおかしな作品が混じっていないか等を数人でチェックする会合である。
こういった半端な夕方(という言葉はないか)に用事が終わる時は、なんとなく焦る。夕食のメニューをちゃんと決めていなかった時は特に。そういう時、飯田橋駅にあるお値段高めの小さなスーパーマーケットで慌ただしく決め、ささっと買って家に向かう。ところが自宅近くになって、「あ、パン粉がない」などと気付く。そこで、コンビニエンスストアに寄る。ああ、あった、あったと手に取り、ついでに「麦飯」のパックが目に飛び込んでくる。なんと、最近の万屋(よろずや)は麦飯まで……と感動した。籠に入れた。さらについでに五百mlの牛乳、猫のおやつなども。わが家では牛乳は朝のミルクティー用が主なので、若い家庭のように毎日一リットル消費することはなく、小さなものをまめに買い足す。
レジで驚いたのは、店員さんがストローをまったく自然に袋に入れたこと。わけがわからない。その後、しばらく疑問に思っていたのだが、ある日、やっとわかった。さる高校の俳句部の子たちの机の上を見た時だった。なんと、五百mlの牛乳パックにストローが刺さっているではないか。そうか、そうか、そうやって使うのか。
(コンビニ、牛乳、ついでに思い出した給食などについて、後日またちびちび書かせていただきます。)

【季語=麦飯】 

著者略歴

櫂 未知子(かい・みちこ)

一九六〇年、北海道生まれ。「群青」共同代表、「銀化」同人。公益社団法人 俳人協会理事。公益社団法人日本文藝家協会・国際俳句交流協会各会員。
句集に『貴族』(第二回中新田俳句大賞受賞)・『蒙古斑』、第三句集『カムイ』にて、第57回俳人協会賞、第10回小野市詩歌文学賞を受賞。句文集に『櫂未知子集』、著書に『季語の底力』(第十八回俳人協会評論新人賞受賞)『食の一句』『言葉の歳事記』『季語、いただきます』、共著に『第一句集を語る』などがある。

 

 

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