《十一月九日》青年の横顔いくつ小六月

夏の間に胃が小さくなったらしく、このところ句会のメンバーに迷惑をかけっぱなしである。どういう「迷惑」かというと、以前と同じようにたくさん食べた時に身動きが取れなくなり、発語がままならなくなること。私はもともと食事にたっぷり時間をかけ、量もたっぷり、というタイプ。ところが、今それをすると食後に口をきけない状態になる。情けない。
そんな状態でも、若い人たちが旺盛な食欲を示してくれるのを目の当たりにするととにかく嬉しい。ちゃんと食べる青年たちは、まことに美しい。その姿を眺めているだけでも、生きていてよかったという思いを強くする。生き甲斐かしら。いや、趣味かしら。もしかすると変態かしら。

●季語=小春

著者略歴

櫂 未知子(かい・みちこ)

一九六〇年、北海道生まれ。「群青」共同代表、「銀化」同人。公益社団法人 俳人協会理事。公益社団法人日本文藝家協会・国際俳句交流協会各会員。
句集に『貴族』(第二回中新田俳句大賞受賞)・『蒙古斑』、第三句集『カムイ』にて、第57回俳人協会賞、第10回小野市詩歌文学賞を受賞。句文集に『櫂未知子集』、著書に『季語の底力』(第十八回俳人協会評論新人賞受賞)『食の一句』『言葉の歳事記』『季語、いただきます』、共著に『第一句集を語る』などがある。

 

 

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