《十一月二十二日》青き一筋炭焼の煙とよ

学生の頃、しばらく京都でトラックの運転手をしていたことがある。随分、関西弁にも馴れて普通に?会話が出来るようになってきていた、ある時、市内を配達中、よろよろっとトラックの前に走ってきた自転車があった。思わず急ブレーキをかけた私は、「バカヤロー」と言ってしまった。驚いたのは隣に座っていた助手の小僧。ビックリして「自分、どこから来たん!」。あの場面では「ドアホ!」と叫ばなければならなかったのだ。人間咄嗟の時にはネイティブな言葉が出てしまうものだと言う。●季題=炭焼

著者略歴

本井 英(もとい・えい)

一九四五年、埼玉県生まれ。 「夏潮」主宰・「珊」同人。大磯鴫立庵 第二十三世庵主。

句集に『本井英句集』・『夏潮』・『八月』 ・『開落去来』。著書に『虚子渡仏日記 紀行』・『虚子散文の世界へ』(第三十二 回俳人協会評論賞)ほか。

夏潮HPはこちらより。 

 

 

 

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バックナンバー

  • 11月26日:とめどなく病気のはなし日向ぼこ
  • 11月25日:学芸員紺のセーター地味に着て
  • 11月24日:午後五時のもう真つ暗の風邪寝かな
  • 11月23日:もらひ湯を出れば炬燵に招じくれ
  • 11月22日:青き一筋炭焼の煙とよ
  • 11月21日:牡蠣船の障子が開きすぐ閉ぢし
  • 11月20日:黒鮪ならではよこの身の赤さ
  • 11月19日:背景にスカイツリーや都鳥
  • 11月18日:泳ぎよるなどと鼻歌鯨喰ふ
  • 11月17日:愛されて全但バスや薬喰
  • 11月16日:懐にダムを抱きて山眠る
  • 11月15日:スパッツのお尻美し玉子酒
  • 11月14日:酒断てば桜鍋にも足向かず
  • 11月13日:枯芙蓉握りつぶせば粉々に
  • 11月12日:白息の溶けあひ男女かな
  • 11月11日:顎擦つて着く川船や枯柳
  • 11月10日:水鳥の急に増えしとにはあらで
  • 11月9日:グループホームや短日を託ちあひ
  • 11月8日:濡縁のささくれながら青写真
  • 11月7日:蒟蒻をまだ掘つてをり夕まぐれ
  • 11月6日:抜きあげて三浦大根中太り
  • 11月5日:冬耕の直下に小さし船溜
  • 11月4日:山茶花のころや雨ぐせとれぬまま
  • 11月3日:お十夜や夜店きらきら海ほとり
  • 11月2日:冬めくや遠つ淡海奥ふかし
  • 11月1日:沖空のにはかに暗し神渡

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