2017.1.7

 

中村光声句集『聲』(こえ)

 

中村光声句集『聲』

 

4/6判ハードカバーフレキシブルバック装。 154頁。
 
著者の中村光声(なかむら・こうせい)さんは、昭和22年(1947)東京生まれ、現在は東京都江戸川区在住。東京人である。平成19年(2007)「河」入会、平成21年(2009)「河」同人、平成23年(2011)「第32回角川春樹賞受賞」、平成24年(2012)「河 角川源義賞受賞」、平成28年(2016)「第15回銀河賞受賞」、現在は「河」(角川春樹主宰)の編集委員でもある。
本句集に角川春樹主宰が懇切な跋文「花といのちと挽歌の詩系」を寄せている。
本句集は「聲」という集名であり、「水の聲」「天にこゑ」「母のこゑ」「春のこゑ」「雁のこゑ」の5章からなり、「聲」が全体を貫いている。
「聲」が象徴するものは何か。
 
 
本句集の装幀は君嶋真理子さん。
「聲」という抽象的なものをどう形に表すか、そこが難しいといえば難しい。
 
 
 
中村光声句集『聲』
 
 
中村光声句集『聲』
 
 
鳥の図を配し、声を赤いメタル箔で押した。
 
 
中村光声句集『聲』
 
 
「聲」に赤の激しさが加わった。
 
 
中村光声句集『聲』
 
 
中村光声句集『聲』
 
「赤」が本句集をつらぬくテーマとなった。
 
 
中村光声句集『聲』
 
布クロスも燃えるような赤である。
 
 
中村光声句集『聲』
 
シャープな造本のフレキシブルバックである。
 
 
中村光声句集『聲』
 
「聲」空押し。
 
 
中村光声句集『聲』
 
 
背はカバーと同じ赤メタル箔。
 
 
中村光声句集『聲』
 
 
中村光声句集『聲』
 
 
中村光声句集『聲』
 
見返しは「岩はだ」という用紙で男性的に。
 
 
中村光声句集『聲』
 
扉はモノトーン。
 
 
中村光声句集『聲』
 
フレキシブルバックの独特な出来上がり。
 
 
 
中村光声句集『聲』
 
本の開きがとてもいい。
 
 
中村光声句集『聲』
 
 
中村光声句集『聲』
 
 
中村光声句集『聲』
 
 
中村光声句集『聲』
 
 
生者と死者の声のハーモニーが織り成す句集『聲』である。
死者が呼び生者が応え、生者が呼び死者が応える。
彼岸と此岸を声が往来する。
 
 
(ふらんす堂「編集日記」2016/12/12より抜粋/Yamaoka Kimiko)
 

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