《十一月十二日（日）》見ることも見ざることも罪 ガザの子は血に濡れ瓦礫の上を運ばる
娘がまだ学生で同居していたころ、夕食のときにニュースを見るのをとても嫌がった。事件や事故の映像を見ながら、平然と食べるのが信じられないと言うのである。いま娘がいたら、テレビは真っ黒に消されているだろう。
著者略歴
1969年宮崎県生まれ。京都市在住。塔短歌会主宰。現代歌人協会理事。京都新聞歌壇選者。歌集に『青蝉』（1995年、第40回現代歌人協会賞）、『鳥の見しもの』（2016年、第21回若山牧水賞・第9回小野市詩歌文学賞）、『石蓮花』（2019年、第70回芸術選奨文部科学大臣賞、第31回斎藤茂吉短歌文学賞）などがある。評論集に『風景と実感』、『読みと他者』がある。
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