《四月二十二日》しづかなる家の独酌もよけれどもいざや伊丹へ 酒戦しゆせんの待てば

今日は伊丹市で第十五回「日本ほろよい学会」。会長は佐佐木幸綱氏。日本酒を語り、飲む会である。今回は坪内稔典氏の企画である。佐佐木氏、坪内氏、宇多喜代子氏、それに私の四名で「酒の短歌・酒の俳句」の座談会を行うことになっている楽しい会になりそうだ。牧水に伊丹の名酒「白雪」を歌った作が七首ある。

著者略歴

伊藤一彦(いとう かずひこ)

昭和18年、宮崎市に生まれる。早稲田短歌会を経て、「心の花」に入会し、現在選者。
歌集に『海号の歌』(讀賣文学賞)、『新月の蜜』(寺山修司短歌賞)、『微笑の空』(迢空賞)、『月の夜声』(斎藤茂吉短歌文学賞)、『待ち時間』(小野市詩歌文学賞)、また歌集『土と人と星』及び評論『若山牧水―その親和力を読む』により現代短歌大賞・毎日芸術賞・日本一行詩大賞を受賞。若山牧水記念文学館館長。宮崎市に住む。

 

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  • 5月14日:笑顔よきほとけの母の母の日に母よりもらふ一献の酒
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  • 5月6日:定形と言葉と心いかにせむ すかすかの歌だぶだぶの歌
  • 5月5日:文華堂、大山成文館、田中書店 一軒も今は無くさびしきよ
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  • 5月3日:会ふことはつひになかりきわが歌に最も影響あたへし寺山修司
  • 5月2日:けはしくて近づきがたく手とどかぬ山上に咲くあけぼのつつじ
  • 5月1日:世といふは人の世のみか山の世に雲の世さらに見ぬ世もあるを
  • 4月30日:祖父か否(いな)曾祖父ほどの齢(よはひ)なる大樹あふぎて言の葉を待つ
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  • 4月28日:小庭(さにわ)より摘みきてうまし朝も食べ夜も食べたる嫁菜のごはん
  • 4月27日:晴の日の酒のかなしさ雨の日の酒のさびしさ何れ勝るや
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  • 4月25日:色ちがへおのがじし光る星眺む人間であることを忘れて

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