《六月二十日》口中に薄荷ひろがる薄暑かな

ミントが口に合う季節になった。今まで一番おいしかったのは、養蜂家の吉森さんの山小屋の庭で摘んだミントを無雑作にたっぷり入れた蜂蜜入りミントティー。
カクテルならヘミングウェイが愛したというモヒート。奈良ホテルのバーもおいしかったが、銀座の「バー三石」でも杯を重ねた。

著者略歴

西村 和子(にしむら・かずこ)

昭和23年 横浜生まれ。
昭和41年 「慶大俳句」に入会、清崎敏郎に師事。
昭和45年 慶応義塾大学文学部国文科卒業。
平成8年 行方克巳と「知音」創刊、代表。
句集『夏帽子』(俳人協会新人賞)『窓』『かりそめならず』『心音』(俳人協会賞)『鎮魂』『椅子ひとつ』(小野市詩歌文学賞・俳句四季大賞)。
著作『虚子の京都』(俳人協会評論賞)『添削で俳句入門』『季語で読む源氏物語』『季語で読む枕草子』『季語で読む徒然草』『俳句のすすめ 若き母たちへ』『気がつけば俳句』『NHK俳句 子どもを詠う』『自句自解ベスト100西村和子』ほか。
毎日俳壇選者。
俳人協会理事。
NHKラジオ「文芸選評」選者。

 

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バックナンバー

  • 6月29日:用向きを作り五月雨傘さして
  • 6月28日:亡きひとも伴ひ来たれ夏料理
  • 6月27日:亡き人の数ほど散りて沙羅の花
  • 6月26日:朴散華無縁の人と思ほえず
  • 6月25日:夏ゆふべ薄墨色に富士泛べ
  • 6月24日:蚊遣火の香や考(ちち)の声妣(はは)のこゑ
  • 6月23日:梅雨晴間橋は遠目が佳かりけり
  • 6月22日:描かれて五衰兆せり富貴草
  • 6月21日:輪講の声夏至の窓暮るるまで
  • 6月20日:口中に薄荷ひろがる薄暑かな
  • 6月19日:下草に息継ぎながら梅雨の蝶
  • 6月18日:住み捨てし家の紫陽花盗まばや
  • 6月17日:前山の嵐気髪膚に縁涼み
  • 6月16日:亡きひとと棲まばこの路地青簾
  • 6月15日:雲間より額仄めき皐月富士
  • 6月14日:黴の書に挟まれ覚えなき紙片
  • 6月13日:その呪文いまだに解けず桜桃忌
  • 6月12日:香水や午餐の窓に水脈眺め
  • 6月11日:瞑(めつむ)りて白昼瞠(みひら)きて万緑
  • 6月10日:暮れがたに目覚めてひとり籐寝椅子
  • 6月9日:師の声を聴きしと思ふ明易し
  • 6月8日:香けむり水のごとくに梅雨に入る
  • 6月7日:思ひ出のもとより儚(はかな)走馬燈
  • 6月6日:すつぴんのひと日を得たりサンドレス
  • 6月5日:散りざまも先師の愛でしえごの花
  • 6月4日:ビルの盾鉄塔の矛青嵐
  • 6月3日:麦秋の落暉の翼遍(あまね)しや
  • 6月2日:播磨野や茅花流しの光満ち
  • 6月1日:青梅や毒なき詩(うた)のつまらなく

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