《十二月八日》をのこ等にでんと据ゑたりおでん鍋

寒くなるとよくおでんを作った。息子たちの食欲旺盛だった頃は、控えの鍋にも作った。NHKラジオの明日の文芸選評の題は「おでん」。およそ一五〇〇句のおでんの中から十五句を生放送。選句をして気づいたのだが、コンビニのおでんが日常に定着していること。一人暮らしの息子も買っているのだろうか。選をしているうちに、おいしいおでん屋に行きたくなった。

著者略歴

西村 和子(にしむら・かずこ)

昭和23年 横浜生まれ。
昭和41年 「慶大俳句」に入会、清崎敏郎に師事。
昭和45年 慶応義塾大学文学部国文科卒業。
平成8年 行方克巳と「知音」創刊、代表。
句集『夏帽子』(俳人協会新人賞)『窓』『かりそめならず』『心音』(俳人協会賞)『鎮魂』『椅子ひとつ』(小野市詩歌文学賞・俳句四季大賞)。
著作『虚子の京都』(俳人協会評論賞)『添削で俳句入門』『季語で読む源氏物語』『季語で読む枕草子』『季語で読む徒然草』『俳句のすすめ 若き母たちへ』『気がつけば俳句』『NHK俳句 子どもを詠う』『自句自解ベスト100西村和子』ほか。
毎日俳壇選者。
俳人協会理事。
NHKラジオ「文芸選評」選者。

 

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  • 12月8日:をのこ等にでんと据ゑたりおでん鍋
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