●岸本尚毅作
冬ざれや踏めば水吐く野辺の石
水涸れしところ日がさす風が吹く
ぶら下りゐしが離れて梅落葉
大木はおおかた黄なる冬紅葉
鴨歩くところは早瀬広々と
あたたかにして仄暗く日短
大空は明るくあれど日短
作品例
特選
水涸るるところどころを落下して 八江
湯豆腐を掬ひて夫の震へる手 薫子
ひといろにならんとしつつ落葉かな 八江
かちわたる鴨やときをりかつと照り 昌子
川曲る落葉大きく取残し 紀子
写真屋に時計二つや朝しぐれ 昌子
ぬかるみにつもる落葉でありにけり 定生
そこだけの紅葉明りに太子堂 喜代子
鳥啼いて木の根あらはに寒き崖 八江
柿すだれ遥かに富士を望みつつ 董子
泡立草群るる河原に焚火かな 定生
山茶花に足をとどむる人もなし 和恵
谷昏し冬の紅葉の盛りなり 京子
瀬に並ぶ石整然と冬ざるる 董子
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