●岸本尚毅作
花ひらの飛びはじめたる夕べかな
花下よかりける車椅子乳母車
うららかや仏の数の九品仏
満目の日の光にも花こぼれ
日本の鳥には非ず花を喰ふ
岸本尚毅特選
日がはりの暑さ寒さや花衣 麻
尚毅選
菩提樹の幹ぬくもりて蘖ゆる 昌子
蟻穴を出て松の木に松の風 八江
チューリップけふ洗濯の楽しかり 定生
池凍り厠の水は凍らざり 喜代子
花びらの喪服の人につきやすし 八江
なんべんも名前忘るる木の若葉 章
参道の松より花へ来し小鳥 章
ゆくほどに明るくなりし花の道 昌子
蒲団干す家の桜のよかりけり 定生
あたたかに枯山水の掃かれけり 昌子
沸くほどに湯の音変はる花の昼 麻
花満ちて真下に垂るる枝もあり 定生
花の昼盲のごとく針探す 麻
それは寒き夜の桜でありにけり 定夫
線香の炎となりぬ花の下 紀子
嘴をのばすところに花のあり 章
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