俳句のページ

有働薫の詩人のラブレター

◎詩人のラブレター7

自分自身のために明晰な思想を鍛え上げた者は
光輝く心の孤独の中で生きる
       *
砂漠から  (から) き峻厳の花開く

 


 J-M.モルポワと同じ1952年生れの、まったく詩風を異にする詩人ジャン=クロード・カエールの詩集『辛き峻厳』からの抜粋です。ブルターニュ貴族の末裔である彼は現代生活の喧噪から隔たって 、信仰と信念に沿った清貧の生活を送っています。イスラエル、エジプト、メキシコ、ラテンアメリカ他への旅行が彼の詩にモチーフを与えています。また、《生まれ出でそして死んでいく世界の美しさ/暗闇の中で/われら王族は 父 母 息子の名で結ばれている》と書くように、みずからを王族と呼び、《ローマから遠く》と、ラテンと峻別した純血の誇り高い面構えは、モノクロの写真を通してさえ、見るひとの心に突き刺さります。

 昨年第3詩集を出版し、「プチ・ガヤール賞」を受けました。この賞は小出版社を対象とした比較的新しい賞です。この詩集で《時の流れを緩めるためにたえず書き続けなければならない》と書かれているのが印象に残ります。メキシコの旅の後、先住民アステカ族の詩を集めて共訳し、ル・クレジオが序を寄せています。


有働 薫(うどう・かおる)
1939年東京杉並生れ。第1詩集『冬の集積』(詩学社)、第2詩集『ウラン体操』(ふらんす堂)ほか。 モルポワ訳詩集は、『夢みる詩人の手のひらのなかで』(ふらんす堂)、『エモンド』(ふらんす堂)、『青の物語』(思潮社)。
自費出版のご案内出版刊行案内ふらんす堂友の会オンラインショップ
俳句のページ詩のページ句会のページ投句のコーナーeBOOK
イベント ブログ 各種お問い合わせ 主な取扱い書店 HOME