私の好きなもの


河津聖恵

 好きな人が好きなものを好きになってしまう、というよく言えば素直、悪く言えば安易な私です。好きな人たちと一緒に好きなものを、「いいな〜」「いいよね〜」とプチ感動しながら見たり読んだり聴いたりする・・・そんな時間が、独りで内省する時間と同じ位幸せです。一昨日(5月19日)も友だち四人で緑鮮やかな鎌倉を散策しました。御成通りを骨董品店などをひやかし、鎌倉文学館まで歩きました。三島由紀夫の「春の雪」の舞台ともなった旧前田邸でもある文学館は、薔薇園のバラが満開で素晴らしかったです。皆で香りを嗅ぎ驚き、栽培者の思いのこめられた名に唸り、いのちの精緻な宝器というしかない美しい花の姿に目を奪われました。「薔薇よ おお 純粋な矛盾 よろこびよ/このようにおびただしい瞼の奥でなにびとの眠りでもない/という」(リルケ)もう夏、すべてが薔薇の内部からあふれでる、一度きりの夏ですね! 友達、薔薇、夏、大好き!