《十二月五日》宿木に雀とりつく騒ぎかな

宿木は宿主が落葉すると、そのまん丸い緑の正体を見せる。雀が数羽、宿木に止まろうと争っている。

●季語=宿木
[やどりぎにすずめとりつくさわぎかな]

著者略歴

大石悦子(おおいし・えつこ)

昭和13年京都府舞鶴市生まれ。昭和29年作句を始める。「鶴」入会。石田波郷、石塚友二、星野麥丘人に師事。昭和55年鶴俳句賞受賞。昭和59年第30回角川俳句賞受賞。平成30年第10回桂信子賞受賞。
現在、俳協会顧問。日本現代詩歌文学館評議員。 日文藝家協会会員。「鶴」「紫微」同人。

句集に『群萌』(第10回俳人協会新人賞)『聞香』『百花』『耶々』(第5回俳句四季大賞・第1回詩歌句俳句大賞)『有情』(第53回俳人協会賞)『自註現代俳句シリーズ・大石悦子集』『季語別大石悦子句集』『百囀』。 著書に『師資相承─石田波郷と石塚友二─』など。

 

 

 

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