《十一月十四日》会ふことは生くる力ぞ冬木立
去年一年間で、母は大切な人を一気に喪った。夫、二人の妹、二人の親友である。
一月には、書道仲間で、旅行仲間でもある八十八歳の親友を。三月には二歳下の妹を。五月には、いつも家を訪ねては話し込んでいた九十七歳の親友を。七月には九十三歳の夫を。十一月には八十歳の妹を。
「会って話したり、一緒にどこかへ行く人がみんないなくなっちゃった」と母。長生きするとはこういうことでもあるのか。
著者略歴
1959年東京都生まれ。大学時代、山口青邨に師事。現在「秀」「星の木」所属。句集に『鶴の邑』『野の琴』（第二十回俳人協会新人賞）『遠き木』『櫻翳』（第四回星野立子賞）がある。
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