《四月一日》仁丹の髭の男や街長閑

琺瑯の看板が懐かしい。カレーや清涼飲料水には女優男優が登場し、一度見れば忘れられなかった。仁丹はなぜか少なかった。街に多かっただろうが田舎ではほとんど見かけなかった。

それでもあの髭の男の看板は印象的。残念なのは、仁丹は大人が嗜むものと思いこんでいて、今もって味わったことが無い。

●季語=長閑(春) 

著者略歴

山口昭男(やまぐち・あきお)

1955年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。 「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』(第69回読売文学賞) 『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト100 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員

 

 

 

無断転載・複製禁止

バックナンバー

  • 4月16日:印南野にあつまる風や麦青む
  • 4月15日:鉛筆の4Bの文字鳥の恋
  • 4月14日:カーテンを嫌がつてゐるシクラメン
  • 4月13日:封あまき文届きたる啄木忌
  • 4月12日:ハモニカの真四角な穴春の海
  • 4月11日:神殿へ向ふごとくに蝌蚪の群
  • 4月10日:白濁の青年歩む花の昼
  • 4月9日:山は花兎と亀の話かな
  • 4月8日:
  • 4月7日:春月や口づけ鹹いではないか
  • 4月6日:ぎこちなく木蓮の花落ちてゆく
  • 4月5日:裏返す田の土黒き春祭
  • 4月4日:魚の尾のぱらり焦げたる桃の花
  • 4月3日:初花へポップコーンを抱いて来る
  • 4月2日:春日浴ぶ椅子にシートン動物記
  • 4月1日:仁丹の髭の男や街長閑

俳句結社紹介

Twitter