《四月五日》裏返す田の土黒き春祭

「ゆう」でも後援会があった。二〇〇四年の四月の句稿には次のように赤字が記されている。

――想像力をはたらかせるにしてもどんどん踏みこんで景物が頭の中で勝手に動きだすまで作りたい――

裕明の文字は人柄がよく表れていて、やさしい。が、言葉は、力強い。この言葉が添えられた拙句は〈剪定の枝へふつくら日のさしぬ〉だった。

●季語=春祭(春)

著者略歴

山口昭男(やまぐち・あきお)

1955年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。 「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』(第69回読売文学賞) 『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト100 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員

 

 

 

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バックナンバー

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  • 4月8日:
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  • 4月5日:裏返す田の土黒き春祭
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