《七月三日》合歓咲いてまつたりかわく湯殿かな

――吟行などに行くと矢鱈に歩き廻ってあれもこれも句帖に書きとめている人を見かけるのだが、そんな事で見えてくる珍しいもの、変わったものなど、大したものではないことは確かだ――

一九八八年の「青」三月号の「選後に」で爽波がはっきりと言っている。このことが常に頭にあるので、一つところに座っての吟行を基本としている。

●季語=合歓の花(夏)

著者略歴

山口昭男(やまぐち・あきお)

1955年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。 「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』(第69回読売文学賞) 『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト100 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員

 

 

 

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バックナンバー

  • 7月21日:縁側に犬と座りて夏休
  • 7月20日:別の赤ひろげ夕焼さめてゆく
  • 7月19日:シャンパンの泡見てゐる裸かな
  • 7月18日:なかなかに脱げぬ長靴草いきれ
  • 7月17日:摺りおろす山葵真緑茅舎の忌
  • 7月16日:片蔭に吸ひつくやうに歩みゆく
  • 7月15日:口中に舌ある憂ひ油照
  • 7月14日:水着の子古き落葉を踏みてゆく
  • 7月13日:白靴に覇気黒靴に虚脱あり
  • 7月12日:眉の毛の一本長し金魚玉
  • 7月11日:微風とは脛に来るもの鱧の皮
  • 7月10日:並びをる汗引く人と汗吹く人
  • 7月9日:海の砂こぼれて松葉牡丹かな
  • 7月8日:打水のうろうろしたるひとところ
  • 7月7日:巖よりの力ほどきて滴りぬ
  • 7月6日:瀧茶屋の暗さ瀧道の暗さかな
  • 7月5日:厳めしき館の日除古めかし
  • 7月4日:海草の強きむらさき雲の峰
  • 7月3日:合歓咲いてまつたりかわく湯殿かな
  • 7月2日:消極も積極も居り眠草
  • 7月1日:根を見せて流るる草や半夏生

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