《七月十一日》微風とは脛に来るもの鱧の皮

何故か鱧の皮を子供時代によく食べていたことを思い出す。関西に住んでいれば鱧は夏の魚としてよく出た。子供の口にはあの白身魚は回ってこない。そのかわり縮れて焦げ目がある鱧の皮だった。味はあまり覚えていないが、なんとなく魚らしくない食触。大人になって俳句で再会するとは思ってもみなかった。

●季語=鱧の皮(夏)

著者略歴

山口昭男(やまぐち・あきお)

1955年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。 「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』(第69回読売文学賞) 『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト100 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員

 

 

 

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バックナンバー

  • 7月21日:縁側に犬と座りて夏休
  • 7月20日:別の赤ひろげ夕焼さめてゆく
  • 7月19日:シャンパンの泡見てゐる裸かな
  • 7月18日:なかなかに脱げぬ長靴草いきれ
  • 7月17日:摺りおろす山葵真緑茅舎の忌
  • 7月16日:片蔭に吸ひつくやうに歩みゆく
  • 7月15日:口中に舌ある憂ひ油照
  • 7月14日:水着の子古き落葉を踏みてゆく
  • 7月13日:白靴に覇気黒靴に虚脱あり
  • 7月12日:眉の毛の一本長し金魚玉
  • 7月11日:微風とは脛に来るもの鱧の皮
  • 7月10日:並びをる汗引く人と汗吹く人
  • 7月9日:海の砂こぼれて松葉牡丹かな
  • 7月8日:打水のうろうろしたるひとところ
  • 7月7日:巖よりの力ほどきて滴りぬ
  • 7月6日:瀧茶屋の暗さ瀧道の暗さかな
  • 7月5日:厳めしき館の日除古めかし
  • 7月4日:海草の強きむらさき雲の峰
  • 7月3日:合歓咲いてまつたりかわく湯殿かな
  • 7月2日:消極も積極も居り眠草
  • 7月1日:根を見せて流るる草や半夏生

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