《九月四日》測量士声をもたずに入る花野

今ここに「青」三百号を迎えた爽波の言葉がある。(一九七八年「青」九月号)

――写生に徹することにより想像力を大きく生かし、自分自身、量り知られないような「もの」との出会いによって、そこに新たなる己れを発見し認識していくのが写生の意義と考えております――

「写生に徹する」「想像力を生かす」。この両輪を貫いていきたい。

●季語=花野(秋)

著者略歴

山口昭男(やまぐち・あきお)

1955年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。 「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』(第69回読売文学賞) 『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト100 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員

 

 

 

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バックナンバー

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  • 9月5日:思ふより太きストロー秋の蝶
  • 9月4日:測量士声をもたずに入る花野
  • 9月3日:腕の虫弾きとばせし夜食かな
  • 9月2日:今日ことに土間のうるめる俵編
  • 9月1日:糊強きシーツをはがす野分かな

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