
《三月九日》潮に熨すイグナティウスの春衣かな
「浮く」ことについても留意しなければならない。通常、浮遊は解放や自由と結びつけられるが、ここではむしろ認識のずれとして機能している。雲を喰う者は、軽くなり、風に乗る。やがて空に浮く。それでも、空を知ることにはならない。雲を喰う者は、ただ流れていく。空に抱かれながらも、空の輪郭には決して触れられない。
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「浮く」ことについても留意しなければならない。通常、浮遊は解放や自由と結びつけられるが、ここではむしろ認識のずれとして機能している。雲を喰う者は、軽くなり、風に乗る。やがて空に浮く。それでも、空を知ることにはならない。雲を喰う者は、ただ流れていく。空に抱かれながらも、空の輪郭には決して触れられない。
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