
《十二月十日》蜜柑むくみんなの手から夜がこぼれる
夏の光は性格が強い。太くて押しが強くて、肌に勝手にぶつかってきては跳ね返っていく。こっちの準備なんて一切おかまいなしに、ガッガッと存在感を押しつけてくる。一方で冬の光は、まるで別の生き物みたいに静か。歩いていると、そっと身に寄り添って、気がつけばポケットの中まで薄く明るくしている。冬の光は、たぶん話のわかる光だ。
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夏の光は性格が強い。太くて押しが強くて、肌に勝手にぶつかってきては跳ね返っていく。こっちの準備なんて一切おかまいなしに、ガッガッと存在感を押しつけてくる。一方で冬の光は、まるで別の生き物みたいに静か。歩いていると、そっと身に寄り添って、気がつけばポケットの中まで薄く明るくしている。冬の光は、たぶん話のわかる光だ。
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