小学校長時代、毎年全学年で俳句の授業をしてきた。時間が許せは、句会や短冊書きも行った。ある年の子供の作品。
一年――冬の空みんないっしょにかお上げる
二年――木の下で犬のしっぽがさむがった
三年――友だちがもみじのことを言っている
四年――息の色何もかもが白い冬
五年――どうしよう人参とりに行こうかな
六年――秋風は人の背中を押す風さ
楽しい時間だった。
●季語=零余子(秋)
著者略歴
山口昭男(やまぐち・あきお)
1955年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。
「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』(第69回読売文学賞)
『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト100 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員
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