《十月五日(土)》拾つたゴミを自転車の籠に入れながら新宗教のやうなもの来る

カトリック教会のミサは、すべての人に開かれている。先日、初めてミサに来た女性と話をしていたら、カトリックではない宗教の名前が書かれた名刺をもらった。彼女はゴミ拾いをしながら帰っていった。

著者略歴

大口玲子(おおぐち・りょうこ)

1969年東京都大田区生まれ。宮城県仙台市、石巻市を経て、現在は宮崎県宮崎市在住。1998年、「ナショナリズムの夕立」で第四十四回角川短歌賞受賞。
歌集に『海量ハイリャン』、『東北』、『ひたかみ』、『トリサンナイタ』、『桜の木にのぼる人』、『ザベリオ』、『自由』、歌文集に『セレクション歌人5 大口玲子集』『神のパズル』がある。「心の花」会員。宮崎日日新聞「宮日文芸」短歌欄選者。牧水・短歌甲子園審査員。

 

 

無断転載・複製禁止

バックナンバー

  • 10月5日:拾つたゴミを自転車の籠に入れながら新宗教のやうなもの来る
  • 10月4日:秋空を仰ぎ両手を広げつつ聖フランシスコ像さへづりぬ
  • 10月3日:全世界の全不発弾決起して言ふべし「人よ、落ち着きなはれ」
  • 10月2日:繰り返し息子の愚痴を言ひながら夫と食べてゐるカツカレー
  • 10月1日:背伸びして何を見下ろしたきわれかパンパスグラスに見下ろされつつ

俳句結社紹介

Twitter