
《八月三十一日》秋澄むや蹄の傷を洗ふ水
近所のパン屋で、焼きたてのブリオッシュが袋に詰められるときの音が好きだ。紙袋がふうっと、小さくため息をつく。まだ熱を抱いたままのパンが、中でわずかに身じろぎしているように思える。家に帰って袋を開けると、甘い匂いが一気に爆発し、室内の菓子パンの国になる。紙袋は、役目を終えたとばかりにくたりと折れ、ブリオッシュだけが堂々とそこにいる。まるで王様みたいに。
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近所のパン屋で、焼きたてのブリオッシュが袋に詰められるときの音が好きだ。紙袋がふうっと、小さくため息をつく。まだ熱を抱いたままのパンが、中でわずかに身じろぎしているように思える。家に帰って袋を開けると、甘い匂いが一気に爆発し、室内の菓子パンの国になる。紙袋は、役目を終えたとばかりにくたりと折れ、ブリオッシュだけが堂々とそこにいる。まるで王様みたいに。
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