
《九月十五日》水澄むやねじ切り終へて昼の笛
小雨のなか、透明なレインコートを着た犬が歩いていた。飼い主よりも堂々とした足取りで、しぶきを踏んでいく。通りすがりに「あら、かわいい」と声がかかるたび、耳がぴくりと立つ。「おう、もっと言え」と言っている顔である。
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小雨のなか、透明なレインコートを着た犬が歩いていた。飼い主よりも堂々とした足取りで、しぶきを踏んでいく。通りすがりに「あら、かわいい」と声がかかるたび、耳がぴくりと立つ。「おう、もっと言え」と言っている顔である。
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