
《九月十八日》亡き首都のかほりを嗅ぎて野分あと
書き下ろしの随筆集、ようやく初稿ができたと思ったら、あと三篇書き足さなければならないことがわかった。とりあえず気分をかえるため、楽譜屋さんへ出かけてみる。五線譜の白と黒が、原稿の文字よりずっと軽やかに見える。『ハンマークラヴィーア』のピアノピースを手にとった。弾けるはずもないが、家に置いておくことにする。大きな楽曲に触れると、いま抱えている原稿の重さが、ずいぶん縮んで見えるから。
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書き下ろしの随筆集、ようやく初稿ができたと思ったら、あと三篇書き足さなければならないことがわかった。とりあえず気分をかえるため、楽譜屋さんへ出かけてみる。五線譜の白と黒が、原稿の文字よりずっと軽やかに見える。『ハンマークラヴィーア』のピアノピースを手にとった。弾けるはずもないが、家に置いておくことにする。大きな楽曲に触れると、いま抱えている原稿の重さが、ずいぶん縮んで見えるから。
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