《十一月五日》食客と食客かたひ合ふを高みより見てわらふ富びと

オノレ・ドオミエ風構図。尤もこの構図、いつ逆転するか、わからない。

著者略歴

高橋睦郎(たかはし・むつお)

昭和12年12月15日、北九州八幡に生まれる。少年時代より詩、短歌、俳句、散文を併作。のち、新作能、狂言、淨瑠璃、オペラ臺本などを加へる傍ら、古典文藝、藝能の再見を続ける。 詩集『王国の構造』(藤村記念歴程賞)、句歌集『稽古飲食』(読売文学賞)、詩集『兎の庭』(高見順賞)、『旅の絵』(現代詩花椿賞)、『姉の島』(詩歌文学館賞)、『永遠まで』(現代詩人賞)、句集『十年』(蛇笏賞、俳句四季大賞)。 歌集に『道饗』、『爾比麻久良にひまくら』、『虚音集』、『待たな終末』、『狂はば如何に』など。 藝術院會員。2024年に文化勲章受章。 (Photo : Jorgen Axelvall)

 

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  • 11月5日:食客と食客互み奪ひ合ふを高みより見てわらふ富びと
  • 11月4日:食客といへるありけり富びとの気まぐれを押し戴き食うぶ
  • 11月3日:食ぶといふは乞食のわざ富びとの給ぶに与り額垂れ食ぶ
  • 11月2日:数学美しきかな石板に書いて消す零の闇深きかな
  • 11月1日:経済の健やかの喩と闇深く金塊眠る遙けし今は

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