《三月七日》沈みたる椿の花の上に蝌蚪

公益財団法人登戸学寮の理事会に出席。
昭和三十二年三月七日の虚子句日記は「どうだん会 好々亭」。「老梅をよく〳〵見れば蘂震ふ」「梅の花いつもどこかゞ震へをり」「或る時は梅幽かなる日和かな」「梅の影床几のわれに被さりぬ」「ちよと窓に寄りて話して又梅へ」「園丁は遊ぶに似たり梅林」「又もとの床几に戻る梅の茶屋」と詠み続ける八十三歳の虚子。高ぶった句心はやがて「傍らに人無き如く梅にあり」に至る。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 3月7日:沈みたる椿の花の上に蝌蚪
  • 3月6日:物干して港に住めるシヤボン玉
  • 3月5日:会館を駆くるモツプや風光る
  • 3月4日:猫にもの問ふもせんなし梅の花
  • 3月3日:すいと出でて何の茎立かと思ふ
  • 3月2日:腹減らぬままにもの食ふ春の雲
  • 3月1日:吾がための余寒の土筆摘みにけり

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