《三月八日》顔を吹く春風船具など鬻ぎ

石田波郷賞の授賞式のため砂町に行く。清瀬市で始まった「波郷新人賞」を江東区が引き継いで下さったことに感謝。
昭和二十九年三月八日の虚子句日記は「物芽会 光明寺」。「塵穴も塵取も皆落椿」「ほむらとも我心とも牡丹の芽」「水温む池は竹きれ木ぎれかな」「岸の杭おほかた朽ちて水温む」など。眼前嘱目の句のなかに、自然な感じで心象的な句が混じる。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 3月8日:顔を吹く春風船具など鬻ぎ
  • 3月7日:沈みたる椿の花の上に蝌蚪
  • 3月6日:物干して港に住めるシヤボン玉
  • 3月5日:会館を駆くるモツプや風光る
  • 3月4日:猫にもの問ふもせんなし梅の花
  • 3月3日:すいと出でて何の茎立かと思ふ
  • 3月2日:腹減らぬままにもの食ふ春の雲
  • 3月1日:吾がための余寒の土筆摘みにけり

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