冬の季語に「柴漬」がある。一方「柴漬(ふしづけ)」という季語もある。漢字は同じだが読み方も違うし、内容も違う。「ふしづけ」の方は、川や湖での冬季の漁法の一つ。ある時、席題としてこの「柴漬」が出た。漬け物だと思っていたら、参加者はみな「ふしづけ」で句を詠んでいた。こんなこともあるのかと驚いた。
●季語=柴漬(冬)
著者略歴
山口昭男(やまぐち・あきお)
1955年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。
「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』(第69回読売文学賞)
『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト100 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員
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