《十月十七日(木)》子に「思想強い」と言はれたるわれは「あんたが弱すぎる」と言ひ返す
社会的な意識があってこだわりが強く面倒くさそうな人のことを最近は「思想が強い」と言って煙たがる風潮があり、私もとうとう息子から言われてしまう。選挙になるとうずうずして、各候補者の政策をチェックしたり、誰に何と言われようと応援したい人がいるときはなりふり構わずとことん応援したり。街中でスピーチをしたり団地でノボリを振ったりしたこともある。主権者として当然のことと思っている。
著者略歴
大口玲子(おおぐち・りょうこ)
1969年東京都大田区生まれ。宮城県仙台市、石巻市を経て、現在は宮崎県宮崎市在住。1998年、「ナショナリズムの夕立」で第四十四回角川短歌賞受賞。
歌集に『海量』、『東北』、『ひたかみ』、『トリサンナイタ』、『桜の木にのぼる人』、『ザベリオ』、『自由』、歌文集に『セレクション歌人5 大口玲子集』『神のパズル』がある。「心の花」会員。宮崎日日新聞「宮日文芸」短歌欄選者。牧水・短歌甲子園審査員。
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