一九七三年「青」四月号。爽波の「選後に」次のような言葉が記されている。
――本当の自然の中へ身を置くことによって写生句の核心である〝発見〟なり〝驚き〟なりに出遭うことが出来た訳である――
「本当の自然」「発見」「驚き」に注目してしまう。評された句は山内淑子の〈葡萄園枯れ屋根上の拡声器〉。
●季語=焚火(冬)
著者略歴
山口昭男(やまぐち・あきお)
1955年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。
「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』(第69回読売文学賞)
『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト100 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員
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