
《四月九日》アネモネや幻都にひとつ塩の門
潮の香りがする食料品店の入り口に、小さな回転式の什器が置いてあって、アネモネの花束が数本ささっていた。たぶん、くるくる回るはずの台なんだけど、花の重さか角度のせいか、途中で止まって、ひとつだけ妙な姿勢で傾いていた。それがなんだか片足で踊ってるみたいで、会計の間ずっと気になってた。あれはあれで頑張ってた。
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潮の香りがする食料品店の入り口に、小さな回転式の什器が置いてあって、アネモネの花束が数本ささっていた。たぶん、くるくる回るはずの台なんだけど、花の重さか角度のせいか、途中で止まって、ひとつだけ妙な姿勢で傾いていた。それがなんだか片足で踊ってるみたいで、会計の間ずっと気になってた。あれはあれで頑張ってた。
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