
《四月十八日》影うすき物にすがれる春の暮
ショーウィンドウにうつった顔は、たしかに「わたし」の顔だった。
けれど、口元が見えないだけで、なんだか知らない人に見えた。
マスクをはずすと、本物に戻ったような気がする日もあるし、逆に、顔を出すと、なにかを失ったような日もある。きっと人間って、顔のなかに住んでるんじゃなくて、顔のまわりに住んでるんだろう。イヴ・クラインが「僕の芸術は作品のなかではなく、そのまわりにあります。オーラのごとく」と言った、あれ。
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ショーウィンドウにうつった顔は、たしかに「わたし」の顔だった。
けれど、口元が見えないだけで、なんだか知らない人に見えた。
マスクをはずすと、本物に戻ったような気がする日もあるし、逆に、顔を出すと、なにかを失ったような日もある。きっと人間って、顔のなかに住んでるんじゃなくて、顔のまわりに住んでるんだろう。イヴ・クラインが「僕の芸術は作品のなかではなく、そのまわりにあります。オーラのごとく」と言った、あれ。
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