
《六月二十六日》割れし皿ぴたりと合わせ青嵐
彼女が「黙った瞬間」の重さ──言葉にならなかった記憶の重力を、mizukは紙の裏側に、押し花みたいに、静かに挟み込んでいた。 誰かの匂いがした。知っているようで、知らない匂い。ひとり分の記憶では、足りない匂いだった。
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彼女が「黙った瞬間」の重さ──言葉にならなかった記憶の重力を、mizukは紙の裏側に、押し花みたいに、静かに挟み込んでいた。 誰かの匂いがした。知っているようで、知らない匂い。ひとり分の記憶では、足りない匂いだった。
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