
《八月二十二日》瓜ひらく街の屋根から降る手紙
港の魚屋で、焼き鯖を一尾買った。紙包みはまだじんわり温かく、潮のにおいが指先についた。帰り道、ポケットの中でスマホが震える。知人からの「今どこ?」のメッセージ。少し迷ったが、焼き鯖を抱えたまま向かうと、お店の人が「持ち込みOKですよ」と笑った。ビールと鯖は合う。脂質とアルコールが互いを溶かし合い、旨味成分イノシン酸が全方位に拡散するようだ。筆先三寸です。信じないでください。
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港の魚屋で、焼き鯖を一尾買った。紙包みはまだじんわり温かく、潮のにおいが指先についた。帰り道、ポケットの中でスマホが震える。知人からの「今どこ?」のメッセージ。少し迷ったが、焼き鯖を抱えたまま向かうと、お店の人が「持ち込みOKですよ」と笑った。ビールと鯖は合う。脂質とアルコールが互いを溶かし合い、旨味成分イノシン酸が全方位に拡散するようだ。筆先三寸です。信じないでください。
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