
《十月十一日》萩の雨こゑのたましいをかすめる
毎朝起きると、空が青くひらけていてうれしい。海沿いの道を歩くと、空と海が両側から押し寄せてくるようで、どちらを見てもすっきりしている。空には鳥がときどきいて、海にはヨットがときどきみえる。けれども「ときどき」しかいないから、やっぱりほとんどはなにもない。今日は空の青がすこし白っぽく、海の青がすこし深くて、ふたつの青のあいだを、ただ歩いていられるのがよかった。
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毎朝起きると、空が青くひらけていてうれしい。海沿いの道を歩くと、空と海が両側から押し寄せてくるようで、どちらを見てもすっきりしている。空には鳥がときどきいて、海にはヨットがときどきみえる。けれども「ときどき」しかいないから、やっぱりほとんどはなにもない。今日は空の青がすこし白っぽく、海の青がすこし深くて、ふたつの青のあいだを、ただ歩いていられるのがよかった。
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