
《十月二十六日》てにをはを手放す胸や虫すだく
人間って、どうしてふっと死にたくなるんだろう。とくに理由があるわけじゃないのに、夕方の風がやわらかくて、カーテンがすこし揺れたときとか、電車を待っているときとか、水の底をのぞくみたいな気配がやってくる。生きることが「過剰」であるがゆえに、ふっと減算したくなるのかもしれない。だとすると、それは生きるという状態がひきおこす正常な副反応ということになる。
無断転載・複製禁止

人間って、どうしてふっと死にたくなるんだろう。とくに理由があるわけじゃないのに、夕方の風がやわらかくて、カーテンがすこし揺れたときとか、電車を待っているときとか、水の底をのぞくみたいな気配がやってくる。生きることが「過剰」であるがゆえに、ふっと減算したくなるのかもしれない。だとすると、それは生きるという状態がひきおこす正常な副反応ということになる。
無断転載・複製禁止