
《十二月二十三日》濡れながら木の内臓に触れしかな
雨の中を歩いていると、道ばたに大きな白樫が立っていた。こんもり茂った樹冠内部からギュルギュルギュルギュル、ジュルジュル、キュルルル、と消化不良めいた音が聞こえてくる。目をこらすと雨宿り中の椋鳥が枝にみっしり貼りついている。高密度すぎて気持ち悪かった。ふと、水をしたたらすその白樫が、内臓をギュルギュル鳴らしている希少な水性生物のように見えてくる。
無断転載・複製禁止

雨の中を歩いていると、道ばたに大きな白樫が立っていた。こんもり茂った樹冠内部からギュルギュルギュルギュル、ジュルジュル、キュルルル、と消化不良めいた音が聞こえてくる。目をこらすと雨宿り中の椋鳥が枝にみっしり貼りついている。高密度すぎて気持ち悪かった。ふと、水をしたたらすその白樫が、内臓をギュルギュル鳴らしている希少な水性生物のように見えてくる。
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