須田和子句集『赤翡翠(あかしょうびん)』

四六判フランス装帯有り 224頁 二句組。
著者の須田和子(すだ・かずこ)さんの第1句集である。須田和子さんは、昭和16年(1941)山梨県・甲府市生まれ。短歌誌「コスモス」、「青藍」を経て、平成12年(2000)俳誌「一葦」入会。島谷征良に師事。現在「一葦」同人。俳人協会会員。歌集に『浜豌豆』がある。本句集に、「一葦」編集長の中根美保さんが序文を寄せている。
序文でも書かれているが、「野鳥の会」に所属されているという須田和子さんであるので、本句集には沢山の鳥が詠まれている。
句集名も「赤翡翠」である。
本句集の装丁は、君嶋真理子さん。

鳥の図を赤の色でそのまま配したが、フランス装ゆえに、瀟洒で品格のある一冊となった。
赤翡翠の写真とかを用いなかったことで、詩歌の本らしくなったのではないだろうか。
造本はグラシン巻きのフランス装。
時間も手間暇もかかる造本である。
そして、このグラシン巻きができる職人さんが減りつつあるのだ。

タイトルは金箔押し。





見返しの赤が効いている。

扉は文字を赤く。




グラシンは写真でとるとぼけてしまうのが残念。
フランス装は手触りと風合いをたのしむ、それにつきる。

(ふらんす堂「編集日記」2025/12/2より抜粋/Yamaoka Kimiko)