《七月十六日》梅雨の蝶砂地の草の花にゐる

無言館を見学する。
昭和八年七月十六日の虚子句日記は「発行所例会。丸ビル集会室」。「水打てば沈むが如し苔の花」。この句も季重なり。苔と打ち水という陳腐極まりない素材をこうも生き生きと詠えるものか。「沈む」が大げさに感じられないためのクッションとして「如し」と言った。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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  • 7月13日:日盛やいのち短き団子虫
  • 7月12日:放哉を読む顕信や日の盛
  • 7月11日:手を引かれながら振り向く裸の子
  • 7月10日:竹夫人AI長者なる人の
  • 7月9日:簾垂れ売物件となつてゐし
  • 7月8日:片蔭を出て影法師こんなもの
  • 7月7日:鯛焼もあはれに焼けてかき氷
  • 7月6日:ブラウスの白く淋しく木下闇
  • 7月5日:換気扇全て西日に回りをり
  • 7月4日:山で被りパリで被りし夏帽子
  • 7月3日:鼓笛隊すすむ海月はぷかぷかと
  • 7月2日:布施明涼しく老いて日焼して
  • 7月1日:孑孑に子どもの尿の一大事

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