《十月二日(水)》繰り返し息子の愚痴を言ひながら夫と食べてゐるカツカレー
本当は、家を離れて毎朝五時台に起きてミサにあずかり、登校してきっちり授業を受け、放課後は学園劇の稽古をしてオルガンの練習も続けているという息子のことを「えらいねえ」「えらいねえ」とほめちぎっている。
著者略歴
大口玲子(おおぐち・りょうこ)
1969年東京都大田区生まれ。宮城県仙台市、石巻市を経て、現在は宮崎県宮崎市在住。1998年、「ナショナリズムの夕立」で第四十四回角川短歌賞受賞。
歌集に『海量』、『東北』、『ひたかみ』、『トリサンナイタ』、『桜の木にのぼる人』、『ザベリオ』、『自由』、歌文集に『セレクション歌人5 大口玲子集』『神のパズル』がある。「心の花」会員。宮崎日日新聞「宮日文芸」短歌欄選者。牧水・短歌甲子園審査員。
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