《十二月六日》ことごとく鏡に映る寒さかな
寒くなると朝の温まった布団から抜け出るのが、いやだった。いつまでもこの布団の中にいたい。そう思っていても学校の始業の時間が迫ってくると、がばりと起き上がる。実家は昔ながらの木造の家だったので、隙間が多かった。そこから冷たい風が吹いてくる。今でも寒さには慣れていない。
●季語=寒さ（冬）
著者略歴
１９５５年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。 「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』（第６９回読売文学賞） 『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト１００ 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員
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