
《四月二十一日》行く春とやり直すならカーブから
掃除機をかけながら、ふと、三輪車で帰った道のことを思い出していた。
あのときの花の匂いと、湿った長靴の内側のぬるりとした感触とが、いまとふいに重なった。
時間がまっすぐじゃないことはみんな知ってる。方向音痴だし、カーブが曲がれないし、すぐUターンしてくる。
それに日々巻きこまれるおかげで、わたしは今を信じすぎずにいられる。
無断転載・複製禁止
掃除機をかけながら、ふと、三輪車で帰った道のことを思い出していた。
あのときの花の匂いと、湿った長靴の内側のぬるりとした感触とが、いまとふいに重なった。
時間がまっすぐじゃないことはみんな知ってる。方向音痴だし、カーブが曲がれないし、すぐUターンしてくる。
それに日々巻きこまれるおかげで、わたしは今を信じすぎずにいられる。
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