
《九月三日》秋高し壁ぬけてゆく水の息
スーパーで、ピーマンを選んでいるおばあさんが、「これは若い子の香り」とつぶやいた。えっどういうこと? 慣用句なのか、それとも彼女だけの感覚なのか。若い子にピーマン的な要素があるのか、ピーマンが若い子的なのか。緑の皮はつやつやで、手のひらに収まると冷たくも温くもない。彼女はピーマンをいくつかカゴに入れ、ゆっくりと歩き去った。
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スーパーで、ピーマンを選んでいるおばあさんが、「これは若い子の香り」とつぶやいた。えっどういうこと? 慣用句なのか、それとも彼女だけの感覚なのか。若い子にピーマン的な要素があるのか、ピーマンが若い子的なのか。緑の皮はつやつやで、手のひらに収まると冷たくも温くもない。彼女はピーマンをいくつかカゴに入れ、ゆっくりと歩き去った。
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