
《九月十日》コインランドリー秋の靴下だけ戻る
バス停で、去っていくバスを見送った。窓の向こうの車内で、知らない人たちが同じ方向を見ていた。視線が揃うと、なにかの合図みたいに世界がひとつになる。その光景を撮りたいと思って、ポケットからスマホを出しかけたが、レンズを向けたら、この合図みたいな世界はきっと消えてしまうと気づいて、やめた。
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バス停で、去っていくバスを見送った。窓の向こうの車内で、知らない人たちが同じ方向を見ていた。視線が揃うと、なにかの合図みたいに世界がひとつになる。その光景を撮りたいと思って、ポケットからスマホを出しかけたが、レンズを向けたら、この合図みたいな世界はきっと消えてしまうと気づいて、やめた。
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