
《九月十三日》わが叔父もビルマの野辺に戦病死しませりと夕べ報せ到りぬ
あれはたまたま母と共に祖父母の家にいた日の夕べ、軍族が届けた叔父戦病死の報せを嫂に当たる母が受けた。私の生後百五日で父が死に、寡婦だった母を十歳近く年少の叔父は異性として意識していたふしがあるから、訃報を受けたのが母だったことは、叔父の思いだったか。
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あれはたまたま母と共に祖父母の家にいた日の夕べ、軍族が届けた叔父戦病死の報せを嫂に当たる母が受けた。私の生後百五日で父が死に、寡婦だった母を十歳近く年少の叔父は異性として意識していたふしがあるから、訃報を受けたのが母だったことは、叔父の思いだったか。
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